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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

甲州信州の旅 中編 [探虫行]

前編の続き

霧ヶ峰を急いで駆け降りたのにはワケがありました。

上諏訪の元町交差点にたどり着くとそこにあるのは、「真澄」で有名な宮坂醸造。

セラ真澄」という蔵元ショップでお酒の試飲をするのが、信州行のルーティーンのひとつなのでした。

しかし、残念ながら閉店時間になっていて、ミッション・インコンプリート。

上諏訪駅の土産物店に寄って宿へ向かい、ゆっくり温泉に浸かりました。

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翌朝、またしても早起きはできず、なので朝風呂を楽しむこともできず、そそくさと朝食をとって8時に出発。

目的地には1時間半ほどで到着しました。

松本電鉄上高地線の終点、新島々駅。

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駅に用事があったわけではありませんが、軒下の隅で地産の野菜や果物を売っていたおばちゃんの露店でジュースを買って休憩。

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飲みながら改札の方を見るとはなしに見ていたら、何か黒っぽいものがひらひらと飛んでいるのが目に入りました。

黒い影はさまよいながら、キップを買おうとしている女性の背中に一瞬とまろうとしましたが、決断できなかったよう。

見失わないようにするためジュースを一気に飲み干すと・・・果たしてその影は改札の真上の看板に着地しました。

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まさか、今回の旅のお目当ての子のひとりか?

そんな甘くはないか・・・と思いましたが、それは紛れもなく僥倖という名のチョウでした。

しばらく駅名の看板で休んだ後、再び飛び立ち、次に着地したのはおばちゃんの店の前の標識でした。

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スミナガシ (タテハチョウ科)


平地にはいないチョウチョで、チバではお目にかかったことがないため、今回会いたいなと思っていたのです。

その名のとおり、墨汁のような深い深~い色合いと、細い筆であしらったかのようなレの字模様がイナセでしょ。

お目当ての子にいきなり出くわして、朝から気分は上々となったところでメインのポイントへ向け移動開始。

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そこは、しましま谷といわれる、北アルプスの南端の麓。 風の谷ならぬ蝶の谷。

渓流沿いの道は一般車両進入禁止です。

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すぐに迎えに出てきてくれた子は夏の装いでした。

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サカハチチョウ (タテハチョウ科)


タテハチョウの中では小型で、別種と思うくらい春型と夏型では色合いが違います。

2、30メートルおきくらいに路上で吸水しているのを観察することができました。

渓流のすぐ側まで降りて、こちらもペットボトルの水を飲もうと上目づかいになったとき、視線の先にいた子。

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ヒオドシチョウ (タテハチョウ科)


遠くてはっきりしませんでしたが、この子にはこれっきり会えませんでしたので見つけられてよかった。

まだまだ他にも路上吸水しているチョウがいました。

なんといっても目立ったのはこの子。

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ミヤマカラスアゲハ (アゲハチョウ科)


お目当ての本命でしたので、またじっくり登場してもらいますが、他の子が写っていることにファインダーで気が付きました。

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わかりますか? もう一頭いるのが。

ミヤマカラスがいなかったら、きっと素通りしていたに違いありません。

フレームに入ってくれたのでコンチューターも検知することができました。

そう、ミヤマカラスのうしろで吸水しているのは、改札口でお迎えしてくれた子です。

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スミナガシ (タテハチョウ科)


前出の子と違って、少し緑がかった色をしてこれがまた渋い。 接写をゆるしてくれるいい子でした。

この子も平地にはいなくてチバでは見つけられない。

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スジボソヤマキチョウ (シロチョウ科)


街中でもみかけるキチョウに似ていますが、翅の先端がとがっているのと臙脂色のやや太い触角が特徴。

チョウ以外の虫も少し紹介します。

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クロサナエ (サナエトンボ科)


ダビドサナエにそっくりですが、前脚の付け根に黄紋がないことで判別。 希少なトンボです。

山側も見ながら進むと、こんな子たちが。

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ヨツスジハナカミキリ (カミキリムシ科)


もう1種、甲虫。

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アオジョウカイ (ジョウカイボン科)


この2種は似てますが・・

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テングチョウ (テングチョウ科)


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イカリモンガ (イカリモンガ科)


前者は蝶ですが、後者は蛾の仲間。

ではこの子は?

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キンモンガ (アゲハモドキガ科)


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さて、蝶の谷の紹介に戻りましょう。

扉の写真の子もたくさんいました。

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コムラサキ (タテハチョウ科)


川面を高速で飛んだり、林縁をゆっくり飛んだり、葉の上で休んだり、地面に降りて吸水したりと、さまざまに生態を観察することができました。

こんな吸水グループもいました。

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サカハチチョウとルリタテハが仲良く。

この子はひとりで日光浴。

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シータテハ (タテハチョウ科)


さあ、かなり進んできましたが、もう一か所行きたいところがあったので、そろそろ引き返します。

そこにはこのまま歩いて行くことも可能ですが、20キロ先なので帰れなくなってしまうのです。

沢まで20メートルばかり降りていくと橋があったのでここを折り返し点としました。

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庄沢渓流


休憩がてら小さく自己紹介も。

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谷の入り口まで戻ってきたときでした。

一頭の蝶が、「もう帰っちゃうの?」と見送りに来てくれました。

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コミスジ (タテハチョウ科)


名残惜しいのは、”汗の匂い”でしょうけど・・・

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ありがとう、蝶の谷。 また来ます。




オマケ


今回も何度か挑戦しましたが、空振りとボケボケばかり。

これもボツ蔵行きにしようかと思いましたが、はずかしながら載せておきます。

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ミヤマカラスアゲハ


ということで、もうひとつの目的地についてはまた次回のお楽しみ。




今日の湯加減

やっぱり過去経験のない暑さ。お江戸は観測史上初の8日連続の猛暑日となりましたね。
覚えてますよ。春の終わり頃、長期予報で今年は冷夏になるだろうって発表されてたこと。
お天道様とケンカするつもりはありませんが、つい愚痴りたくなります。
虫たちにとっては(冷涼な環境を好む種を除いて)どうということはないでしょうけど、ニンゲンは弱いですね。
さて、明日はいよいよチバで昆虫採集会を開催します。
はじめてのチバ開催ということもあってか、満員御礼でキャンセル待ちもでてしまうほど。
催行する側はうれしい悲鳴ですが、何よりも少し気温が下がりそうなことにほっとしています。
(予報はずれないでね)


虫屋さんの百人一種




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コメント 22

g_g

スミナガシは角度によって微妙に色合いが違うんですね
違う個体も色が薄いので素人には違う種かと思ってしまいます。
高山帯に行ってこれだけの種類を見た事がないです。
by g_g (2015-08-08 17:42) 

masao。

収穫がいっぱいの旅だったようですね。
スミナガシの和風の柄大好きです(^^)
続編楽しみにしています。
by masao。 (2015-08-08 18:05) 

mimimomo

こんばんは^^
いろいろ珍しい蝶がいるのですね~ 綺麗だこと。
スミナガシってほんと、墨流しだわ^^ 良いお色ですね♪
明日は千葉ですか。予報では30度浦井までしか上がらないようですが、そうなるといいですね。
by mimimomo (2015-08-08 18:57) 

Silvermac

体に止まるチョウもいるのですね。
by Silvermac (2015-08-08 20:49) 

アヨアン・イゴカー

>スミナガシ
きれいな柄ですね。こんな柄の着物があってもいいですね。
>イカリモンガ も>キンモンガ も美しいですね。

by アヨアン・イゴカー (2015-08-08 20:54) 

MIKUKO.

こんなに沢山の種類を一度に見れて嬉しいです^^
ぜふさん、どうも有り難うございます!
(もものジュースが美味しそう・・・もも味 好き♪)
by MIKUKO. (2015-08-09 00:03) 

響

いきなりお目当ての蝶に出会えるなんて持ってますね。
しかも一回でこんなにたくさんの種類に出会えるなんて凄い。
by (2015-08-09 05:59) 

ぜふ

>g_gさん
高山帯にしかいない虫もいますが、やはり多様性は低くなりますね。
スミナガシは個体変異もあるようです。

> masao。さん
この日は大漁でした^^ スミナガシは風情のある蝶ですよね♪
続編・・なるべくはやく書きます^^;

>mimimomoさん
チバではなかなかお目にかかれない子たちに会えてよかったです^^
スミナガシは魅力的でしょ♪
猛暑日にはならないようで、ほっとしています。

>Silvermacさん
体にというわけではなく、汗に寄って来るのですね。
タテハチョウ科の習性です^^;

>アヨアン・イゴカーさん
そう、2匹の”モンガ”も蝶たちに勝るとも劣らないですね♪
スミナガシの柄は秀逸です。

>MIKUKO.さん
割愛した虫もいますが、たくさん出会えました♪
ももジュースは果汁100でおいしかった^^

>響さん
最高のお出迎えでした♪ しかも接写もできたし!
蝶の谷はある意味ヘブンでした^^

by ぜふ (2015-08-09 07:06) 

engrid

たくさんお出会いがありましたのね
美しさに感嘆するばかり、、
蝶は儚さも持ち合わせているような気が致します
by engrid (2015-08-09 08:20) 

もも

素敵な所ですね☆
正しく蝶の谷、沢山の子達に出会えたんですね ♪
続編楽しみです(^^)

by もも (2015-08-09 11:25) 

kazz

イカリモンガの時はありがとうございました(^^)
私もスミナガシ目当てで林道に行ったけど会えずじまい。
いろいろ撮れましたね〜
あ〜また出かけたくなってきたけど、この連日の暑さ・・・
給水グループの一枚、niceです♪
by kazz (2015-08-09 14:34) 

sasasa

スミナガシ、綺麗な蝶ですね。
和な雰囲気を感じました(^_^)
by sasasa (2015-08-09 16:24) 

アサギいろ

ミヤマカラスアゲハの飛び立ち写真。バッチリ、綺麗です。
ボツにはもったいないお化けが出るよ。たくさんの昆虫に出会えて、うらめしや。もとい、うらやましいです。スミナガシは特に美しくて、私もスミナガシに出会うとうれしいです。でも紺絣の模様ばかりではないのですね。
by アサギいろ (2015-08-09 22:58) 

Silvermac

10,11日はよさこい祭変版ですが、今年は体調が悪く行かないことにしました。
by Silvermac (2015-08-10 05:42) 

ぜふ

>engridさん
想像以上の出会いでした^^
蝶たちは儚くもみな元気に命を燃やしていましたよ♪

>ももさん
種類も多かったのですが、数もでした♪
ゼフィルスにも会いたかったというと欲張りですね^^;

>kazzさん
イカリモンガ、実はこの一枚しか撮れなかったんです^^;
スミナガシは林道ですよね。 でもまさか、駅にいるとは・・・さらに・・・^^

>アサギいろさん
SS1/1600秒でこれですからね・・^^;
やはりスミナガシはみな惹かれるようですね。 日本人好み?^^
薄墨色という色がありますが、まさにその色だと思います。

>Silvermacさん
まだまだ暑さ続きそうです。お大事に。
by ぜふ (2015-08-10 08:01) 

よしころん

おぉぉ~~ ミヤマカラスのうしろにいるスミナガシ、しばらく分かりませんでした^^;
山歩きの途中で見かける虫さんたち、特に蝶はなかなかとまってくれなくて・・・
でも時間に余裕があるときは待って、おいでおいでしてみます~^^
by よしころん (2015-08-10 08:37) 

ねこじたん

たくさんいるな〜
いろんなことに 出逢いってあるんですね♪
by ねこじたん (2015-08-10 10:10) 

ぜふ

>よしころんさん
高山性の蝶たちにも会いたいのでぜひよろしくお願いします。
おいでおいで作戦の効果の報告もお願いします^^

>ねこじたんさん
そう、身近なことにもありますよ^^ さがすといいよ♪

by ぜふ (2015-08-10 21:48) 

shino*

僥倖という蝶々は初めて見ました
上高地の近くまで行かれたんですか?
ぜふさん自己紹介もっと寄って~^^
by shino* (2015-08-13 20:03) 

ぜふ

>shino*さん
もちろん本名ではありませんが^^;
自己紹介はこれが限界です^^
上高地の手前20キロで断念しました。 いつかあらためて、きっと。。

by ぜふ (2015-08-14 07:08) 

ぜふ

あ、そうだ。『虫屋さんの百人一種』の巻頭のマンガに登場させてもらっているのでした♪
立ち読みでもしてみてください(^^)
by ぜふ (2015-08-14 08:30) 

barbie

いつもぜふさんのブログは私の馴染みのない地名が多いんですが、やっと(笑)
新島々は安房トンネルをこえたとこ、ギリギリ私の日帰り圏内
なんか嬉しかったです。
僥倖って漢字初めて見ました。
by barbie (2015-08-26 19:58) 

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