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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

伊八のうさぎ [ギャラリー]

前記事の続きです。

森の中を2周するも、フユエダシャクのメスは見つからず。

見つかるまでオスたちと一緒にとことん粘りたいところだったのですが、時間がなくなりました。

10時20分。次の目的地に向けて出発です。

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アキアカネ (トンボ科)


ここがどこかは後ほどということで、

さらにその後にこの展示会と特別講演会を聴きに行くことがこの日のメインイベントだったのです。

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しかし、この時点で所要時間の読みを間違えていたのでした。



次の目的地は太東埼にある飯縄寺。 (”はんじょうじ”ではなく”いづなでら”)

今年の6月に海浜性昆虫の探虫に外房を巡ったときに偶然通りがかったお寺で、

以前から興味のある”波の伊八”という名工の作品があるのでしたが、拝観開始時間まで待てなかったので、

いずれあらためてと心に決めていたのでした。

がそのとき、何を勘違いしたのか、チバ市内から1時間で行けたと思っていたのです。
(50km以上あるので高速を使ってもムリ)

風の強い東金道路を九十九里方面に向けて走りながら、やっと勘違いに気が付いたのでした。

ニンゲンあわてるといけませんね、九十九里有料道路と並行する飯岡一宮線(K30号線)に乗り損ね、

いつの間にか未舗装の農道に入り、果てには行き止まりになり、少しUターンしたりというプチロスト状態・・

それでもなんとかお昼頃に無事着くことができました。

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飯縄寺 (半年前と同じ構図で)


拝観料200円を払ってさっそく突入します。

すぐ目に付くのは参道右手にある大きな鐘楼。

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撞いてもいいけど一回だけとのことでした。 が、時間がないのでまた今度。

といいながら、本殿の前のスズカケの木がおもしろくて写真を撮ってしまう。

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ところで、ここのご本尊は烏天狗の飯縄大権現様。

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本堂内は撮影禁止だったので写真は載せられませんが、伊八の作品「天狗と牛若丸」「波と飛龍」を見ました。

それと本堂天井には葛飾北斎の師、堤 等琳の墨絵「龍」(1805)がありました。

北斎も伊八の彫刻をここに見に来たのだそうです。(後で住職にききました)

「波と飛龍」を実際に見ればなっとくしてしまいます。

ゆっくり見たいところなのですが、次があるので、本殿縁の下の蟇股(かえるまた)を見て拝観終了。

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寺務所に寄ってご住職と少し話をし、お守りを買って寺をあとにしました。

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時刻は12時20分。ナビに次の目的地、久留里城を設定して愕然としました。

到着予定時刻:午後2時!

二つ目の読み間違い。

太東埼から久留里までは1時間もあれば着くだろうな・・というのが前夜の独り言。

実は講演会の開示時刻は午後1時半。 講演会はこの日の一回きり。

急ぎました。

幸い交通量がほとんどなく信号もまったくといっていいほどない、道のりだったので見事に挽回しました。

久留里城の駐車場に着いたのが1時25分。

やった間に合った・・・と思ったら最後の難関がありました。

久留里城はいわゆる山城。

駐車場から会場の久留里城址資料館まで300メートル(体感的には1キロ)の心臓破りの坂。

やっとのことで講演会の会議室に近寄ると中から「只今ご紹介にあずかりました・・」という挨拶の声が。

ギリギリセーフ。

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しかし会場は満員。会議室内にほとんど隙間なく並べられたパイプ椅子が満席。

それでも最後列の長椅子にかけていた方たちが詰めてくれ、まさに末席を汚すことができました。

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鴨川市郷土資料館の石川丈夫さんの講演は、伊八の作品を写真でさまざまな角度から紹介しながら、

謎解きのような話も交えて聴衆の興味を惹きつけ、研究や考証も交えた大変おもしろい内容でした。

と、ここで伊八について少し解説します。

初代「波の伊八」こと武志伊八郎信由(1751 - 1824)は、江戸時代後期に活躍した彫り物大工で、安房国長狭郡下打墨村生まれ。
(ラーメン屋「まんぼう」のある現在の鴨川市打墨)

千葉の西上総を中心に活動していたそうですが、最近の研究によると活動範囲は駿河や三河まで及ぶとか。

前述のとおり、北斎にも影響を与えたことは知る人ぞ知ることだと思いますが、この講演でさらに面白い事実が。

君津市の岩田寺にある伊八がまだ20代前半の頃の作品の銘には、

嶋村唐四郎
弟子 同苗 半平貞亮 師
弟子 同苗 伊八

とあり、伊八の師匠は嶋村唐四郎で、”同苗”とありますから、若い頃は嶋村伊八と名乗っていたということ。

さらに嶋村唐四郎のとある作品の銘には

左甚五郎四代孫 嶋村唐四郎

と墨書されているのだそうです。(写真がスライドでも紹介されました)

左甚五郎は実在の人物ではないとの説もあるようですが、少なくとも当時そう名乗っていた人物はいるということ。

さらに伊八は左甚五郎の流れを汲むということ。

ということは、

左甚五郎 → 伊八 → 北斎

という流れがある可能性が高いということ。

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講演会終了後、展示会場で実際に「波に兎」を見ました。

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撮影禁止ではなかったですが、アクリルケースに入っていてうまく撮れませんでしたので新聞の切り抜きを。

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幅は約190センチ(欄間なので一間)、今年の5月に君津市の宝性寺の屋根裏で見つかったのだそうです。

特に彫刻や絵画に詳しいわけではありませんが、200年以上前の作品を見ながら思いをはせるのは楽しい。

「伊八のうさぎ展」は久留里城址資料館にて1月24日まで。


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上総といえば”上総掘り”、資料館の庭に実物大の模型がありました。

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帰りは心臓破りの坂ではなく、林の中の散策路をつたって下りました。

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久留里城下


ふとお腹がペコペコなのに気が付き、久留里街道にでたところにある、焼きそばで有名なお店「三万石」へ。

ドライブインという呼び方は死語かもしれませんが、三万石はドライブインという言葉が一般化する前からあるドライブインでしょう。

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焼きそば 280円


朝から慌ただしくてさすがに疲れたので、ポイント探しをする気持ちも起きず、久留里にくるとときどき寄る藤平酒蔵という酒屋さんでお酒を買って帰りました。

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せっかくなので 「久留里城」





オマケ


その翌日、ファーブル館に行きすがら、先日の首藤さんのイベントのときに紹介があった人形師の個展へ。

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何体か展示されていましたが、その中で一番ひかれた子。

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着物をまとっているのもあるのでしょうか、ぬくもりというか”生”を感じました。
(”なま”じゃなくて”せい”ですよ)

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大伝馬町のギャラリー(人形町のとなり)で開催中の伽井 丹彌 (かい あけみ)人形展は12月13日まで。

あ、明日だ・・




今日の湯加減

今日は上野にある東京文化会館へ室内楽を聴きに行ってきました。
”ふれあいトリオ”というヴァイオリンとチェロとピアノのトリオ。
チャリティーコンサートなので短い時間でしたが3曲もアンコールに応えてくれて満足。
はじめて行ったホールでしたが、音響がとてもよくて気に入りました。室内楽向きだなぁと。
上野に行くと美術館や博物館めぐりをしたくなるのですが、夜約束があるのでぐっとガマン。
ちょっとアメ横に寄って、お正月用の食材を少しだけ買って帰りました。
そしてこのブログを書いています。
さあ、明日はいよいよファーブル昆虫塾のクリスマス会です。
アメ横で子供たちへのプレゼントも少し買いました。


↓クリスマスプレゼントにぜひ♪

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コメント 11

mimimomo

こんばんは^^
波の伊八にウサギがいましたか^^
久留里城址資料館ですか。行きたいところですが、行けても来年かな。
ご紹介ありがとうございました。
by mimimomo (2015-12-12 21:38) 

リュカ

講演会に間に合って良かったですね!!
ハラハラだったでしょうねー^^;
そうなんですよね。北斎は伊八さんの作品を見てるんですよね〜。
かなりインスパイアされただろうなーって想像してます。
わたしもいつか、伊八さんの作品は見るぞ!!
伽井さんの個展も行ってきたのですね〜。
ハワイがなかったら、絶対わたしも行ってた。今回はいろいろ機会があわず残念だなあ−。
また見る機会あること信じよう♪
by リュカ (2015-12-12 23:55) 

barbie

200年以上も前の作品とは思えない。
今でも十分通用するデザインですね。
波のモチーフが大好きで、実家の自分のお部屋は波の模様の壁紙にしてあります(笑)
by barbie (2015-12-13 00:55) 

shino*

心臓破りの坂道ダッシュ?
お疲れ様でした
間に合ってよかったですね^^
by shino* (2015-12-14 01:16) 

yakko

お早うございます。
200年以上前の作品ですか〜綺麗に残っていましたね。素晴らしい !
お人形さんがリアルですね(・o・)
by yakko (2015-12-14 09:21) 

ぜふ

>mimimomoさん
うさぎがモチーフの作品は他にもあるそうですが間近に見られるのでぜひ。
紅葉がおわると春までなかなか久留里方面へ行く機会がなくなりますけどね^^;

>リュカさん
遅刻は覚悟したのですがあやうく入れないところでした^^;
ここの「波と龍」を見れば「神奈川沖浪裏」がすぐ連想されますよ♪
ぜひこんど足を運んでみてください。洋行から戻られたら^^

>barbieさん
デザインの美しさと立体化する技巧があいまっていて人間業と思えません!
波の模様好きならぜひ実物をご覧になってほしい、おすすめします♪

>shino*さん
20メートルダッシュしたところで間に合うことはあきらめました^^;
結果は間に合ったのですが、あやうく入れずに聴講できないところでした・・
伊八は根強い人気があるんですね。
by ぜふ (2015-12-14 09:24) 

engrid

間に合ってよかったですね
伊八氏の作品、これはこれわは、みたいですね
この造形の素晴らしさ、、系統にそうなのですか
彫刻美(彫り物なのかな)に躍動感、そしてモチーフの造形
すばらしいです
by engrid (2015-12-14 18:42) 

響

芸術に触れる1日でしたね。
古い彫刻のウサギは今にも動きそうな
描写がすばらしいですね。
人形も動きそう。
動いたらめっちゃ怖いケロ。
by (2015-12-16 10:45) 

ぜふ

>yakkoさん
お寺の屋根裏で見つかったそうです。
多少、虫食いにはなってましたが残っていてよかったです♪

>engridさん
入れてよかったです^^;
”彫物大工”と称していたのだそうです。
これが20代前半の作というのがおどろきです。

>響さん
20代前半でこんなものが彫れるというのは天才というか超人ですね。
人形は今にもしゃべりそうでしたよ^^
動いたらコワイです・・

by ぜふ (2015-12-17 01:00) 

ねこじたん

ぜふさんでも 焦るときってあるんだ〜
いがい〜♪
by ねこじたん (2015-12-17 09:48) 

ぜふ

>ねこちゃん
実は最近、けっこう焦ってばかりかもしれません^^;

by ぜふ (2015-12-20 08:46) 

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